オフィスレイアウトの決め方とは?重要なポイントと基本パターン6選

公開日:2023.8.21 更新日:2023.12.18

オフィスの移転や増設、縮小などを検討する場合、オフィスレイアウトを見直す必要があります。オフィスレイアウトは従業員の働きやすさや作業の効率性に直結するため、コンセプトや自社の働き方に合ったオフィスレイアウトを設計することが重要です。

しかし、どのようにしてオフィスレイアウトを決めれば良いか分からない方も多いでしょう。

本記事では、オフィスレイアウトの設計に必要な計画や基本のレイアウトパターン、おすすめのオフィス家具について解説します。ポイントをしっかり押さえれば、自社に合った最適なオフィス環境を整えられるでしょう。

オフィスレイアウトの重要性

オフィスは従業員が業務を行う空間です。自社の働き方にマッチしないオフィスレイアウトでは、最大限のパフォーマンスを発揮できないために作業効率が上がらず、従業員のモチベーションも下がってしまいます。

一方、最適な作業環境が整っていれば、効率的に業務に取り組みやすくなり、生産性が高まります。従業員が働きやすいオフィスレイアウトは、結果として企業の成長に大きくつながるといえるでしょう。

また、オフィスレイアウトは来訪者や求職者といった外部の方に、自社のコンセプト・特色をアピールできる「企業の顔」としての役割も果たします。外部の方が出入りすることが想定されるロビーやエントランスも含めて、企業のコンセプトや魅力が伝わるようなオフィスレイアウトを設計すると良いでしょう。

オフィスレイアウトを決める際のポイント

オフィスレイアウトは目的や目標を定めたうえで、計画に沿って行うことが重要です。ここでは、適切にオフィスレイアウトを設計するために押さえておくべきポイントをご紹介します。

コンセプトの決定

オフィスレイアウトを考える際は、最初にコンセプトを決めましょう。デザイン性や機能性など何を重視するのか、どのような効果を期待したいのかを明確にすることで、オフィスレイアウトの方向性が定まりやすくなります。

また、企業のコーポレートカラーを内装に取り入れるとデザインに統一感が生まれ、従業員の士気も上がるでしょう。企業ブランディングにも効果的です。

基準寸法の把握

オフィスレイアウトを決定するうえで重要なのが、基準寸法の把握です。基準寸法とは、建築基準法・労働安全衛生法・消防法の3つの法律をもとに「基準」が設けられている、オフィス空間において人が安全かつ快適に動けるとされる通路幅やデスク間の距離を指します。

基準寸法を無視したオフィスレイアウトは、快適な作業環境が整えられず、ストレスの増加や生産性の低下につながりかねません。そのため、基準寸法に沿ってゆとりのあるオフィスレイアウトを考えることが大切です。

以下の一般的な寸法を目安に、オフィスレイアウトを設計していきましょう。

ひとりのスペース 60cm~
人と人がすれ違うスペース 120cm~
人が横向きになったときのスペース 45cm~
着席したときのスペース 50cm~
デスクとデスクが横並びの場合の通路幅 90cm~(可能なら120cm以上)
デスクとデスクが背中合わせの場合の通路幅 180cm~
壁を側面にデスクを設置する場合の通路幅 120cm~
壁を背後にデスクを設置する場合の通路幅 140cm~
収納庫を側面にデスクを設置する場合の通路幅 135cm~
収納庫を背後にデスクを設置する場合の通路幅 140cm~
会議室のデスクの側面と壁の通路幅 60cm~95cm
会議室の座席と壁との通路幅 105cm~120cm

ワークスペースの確保

人が快適に動ける通路幅と同様に、従業員が快適に作業できる一人あたりのワークスペースの確保も重要です。

一般的に使われているデスクのサイズは120cm×70cmです。椅子の前後の可動域75cm~90cmを加算すると、一人あたりのワークスペースは約2平方メートル面積が必要といえるでしょう。

しかし労働安全衛生規則によって、天井高4m以上の空間を除き、社員一人あたりの気積(空間量)は10立方メートル以上必要と定められています。このため、天井高4m以下のオフィスでは従業員一人あたりのワークスペースに注意しなければなりません。

従業員の安全や健康に配慮し、快適な職場環境を整えるために必要な面積であるため、オフィスを移転・開設する際の目安にすると良いでしょう。

ゾーニング計画

ゾーニング計画とは、執務スペースや会議室、収納スペース、休憩室といったオフィスの機能として必要なスペースを、どのように配置するか計画することです。業態・業種によって必要な機能スペースが異なる場合もあるため、自社の特性に合わせてゾーニングを行いましょう。

また、「応接室はエントランスの近くに配置する」「休憩室は来客から見えない位置に配置する」など、セキュリティ面やエリアごとの機能・用途を考慮したうえで配置を決めることが重要です。

動線計画

動線計画とは、オフィス内で人が動くための経路を考えることです。通路が狭かったり無駄に歩き回ったりするような動線は従業員にとってストレスとなり作業効率も悪くなるので、自然かつ効率的に行動できる動線を計画しましょう。

「コピー機は多くの従業員が使用することが想定されるため、全員が使いやすい位置に配置する」「出入口付近のメイン通路は広めのスペースを確保する」など、寸法やゾーニングを意識しながら動線を設計するのが効率的といえます。

セキュリティ対策

ゾーニング計画や動線計画を行う際に忘れてはならないのがセキュリティ対策です。

オフィスには従業員や関係者だけでなく、外部の人間が出入りする場合も想定されます。また、社内の人間であっても特定の人物のみ閲覧・取扱可能な重要機密情報を有しているケースもあるでしょう。

社外への情報持ち出しや情報漏洩を防ぐためにも、以下のようにオフィス内のエリアごとにセキュリティレベルを設定して、セキュリティ対策を講じなければなりません。

  場所 対策
レベル1 エントランス、受付、応接室などの来客スペース 外部の人間もアクセス可能。執務スペースとの境界を設けて動線を制限する。
レベル2 執務スペース 社内の従業員や関係者のみが出入り可能にする。
レベル3 サーバールーム、重要書類保管室 許可を得た社内の人間が必要時にのみ出入り可能にする。

設定したセキュリティレベルに合わせて、入室制御や入室記録管理のツールを導入するなど、不特定多数の人がアクセスできないように対策を徹底することが重要です。

配線計画

オフィスレイアウトを考える際は、電話線やLANケーブルなどの配線についても準備を進めなければなりません。特殊なレイアウトにする場合や席数が大幅に増える場合は、変更に伴って配線を見直したり有線と無線を使い分けたりする必要が出てきます。

どのようなオフィス家具を配置するのかによっても配線の方法が変わってくるため、オフィス家具選びの際に配線をどうするかも併せて検討が必要です。配線に不安があれば、レイアウト変更前に専門業者にオフィスレイアウトの確認を依頼すると良いでしょう。

オフィス家具選び

オフィスレイアウトにおいて、コンセプトやオフィスの広さに合ったオフィス家具を選定することは非常に大切です。既存のものを引き続き使用することも可能ですが、新調したオフィス家具との統一感が薄れる、寸法やゾーニングを見直す必要が出てくるなど、かえって手間となってしまう可能性があります。

より快適なオフィス環境を整えるためにも、古いオフィス家具は廃棄して、新しいオフィスレイアウトに適した仕様のオフィス家具を手配すると良いでしょう。

オフィス家具はデザイン性だけでなく機能性にも注目することで、従業員の健康促進や作業効率の向上も期待できます。

オフィスレイアウトの基本パターン6選

オフィスレイアウトにはさまざまなパターンがありますが、レイアウトによってメリット・デメリットがあります。そのため、自社の働き方や期待する効果に適したレイアウトを導入することが大切です。

ここでは、オフィスレイアウトの基本的なパターンを6種類ご紹介します。自社のオフィスレイアウト選びにぜひお役立てください。

対向式レイアウト

デスク同士が向き合っているタイプのオフィスレイアウトで、デスクがまとまって島を形成しているように見えることから、島型レイアウトとも呼ばれています。

コミュニケーションをスムーズに取れるので、同じ部署やチームで連携を取りやすいのがメリットといえるでしょう。チームでの業務が必要な業種・職種に適しているレイアウトです。また、最小スペースでデスクを配置可能で席替えも容易に行えるため、レイアウト変更時の効率の良さもメリットとして挙げられます。

一方、周囲の視線が気になりやすく個々が集中しにくい作業環境なので、集中力を必要とする業務には不向きなレイアウトといえるでしょう。

背面式レイアウト

背中合わせでデスクを配置するタイプのオフィスレイアウトです。

背中合わせになっており、周囲の視線を気にすることなく個々が業務に集中しやすいというメリットがあります。また、振り返れば向かい合わせになるので、チームでコミュニケーションが取りやすく、集中と交流の両立ができる点も大きな特徴です。

ただし、同じ部署・チーム以外の人とのコミュニケーションを取りにくいというデメリットがあります。部署を越えて協働が必要な業務には不向きなレイアウトといえます。

同行式レイアウト

デスクを一方向に配置するタイプのオフィスレイアウトで、学校の教室のようなレイアウトであることからスクール式レイアウトとも呼ばれています。

対面ではないため、周囲の視線を気にすることなく個々の業務に集中しやすいのが大きなメリットです。ITエンジニアのように集中力を必要とする業務や、お客様対応が必要となるコールセンター・銀行の店舗窓口などに適したレイアウトといえます。

一方、部署内でのコミュニケーションが取りにくいのがデメリットとして挙げられます。通路スペースも必要になるため、スペース効率が悪く、広いオフィスでないと実現が難しいでしょう。

クラスター式レイアウト

パーテーションやキャビネットを間に挟み、デスクを左右対称に並べるタイプのオフィスレイアウトです。

デスクが隣り合っていないため、個々の業務に集中しやすくプライバシーがしっかり確保されるのがメリットといえるでしょう。間にキャビネットを挟めば、個人の収納を増やすこともできます。集中力を必要とするクリエイティブな部署や、資料・書類などを保管する必要性が高い業種に適したレイアウトです。

しかし、前後以外の人とのコミュニケーションを取りにくいのはデメリットといえます。また、余剰の収納スペースが発生しやすくスペース効率も悪いため、実現するには一定以上の広さが必要です。

ブース式レイアウト

デスクとデスクの間をパーテーションで仕切ったり、個別ブースを設けたりして個々の作業空間を作るタイプのオフィスレイアウトです。

周囲の音や視線が気にならない個人空間で業務に集中しやすく、プライバシーも確保できるというメリットがあります。デザイナーをはじめとしたクリエイティブ職や電話対応が必要な業種に適しているレイアウトといえるでしょう。

しかし、コミュニケーションが取りにくい、ブースを設置するための費用や労力がかかるなどのデメリットも挙げられます。チームでの連携が必要な業務やオフィスレイアウトの初期費用を抑えたい場合には不向きです。

フリーアドレス式レイアウト

固定席を設けず、自由に席を選んで仕事に取り組めるタイプのオフィスレイアウトです。

個人作業に集中したい場合やチームで業務を行いたい場合にも、業務内容に合わせて席を選べるのがメリットといえるでしょう。部署を越えて交流しやすいため、コミュニケーションの活性化も促進できます。

一方、自席がないので誰がどこにいるか分かりにくく、チームの業務進捗を把握しづらいというデメリットがあります。また、荷物のセキュリティ対策も各自で行わなければなりません。

業務内容によっては非効率となるケースもあるので、フリーアドレス式のオフィスレイアウトを導入する場合は、従業員に目的の周知および導入の可否を調査したうえで検討するようにしましょう。

おすすめのオフィス家具

自社に適したオフィスづくりを行ううえで、デスクやチェア、収納などのオフィス家具は欠かせません。オフィス家具を選ぶ際は、デザイン性と併せて機能性の高いものを選びましょう。

最後に、オフィスレイアウトで使えるおすすめのオフィス家具をご紹介します。

【デスク】toiro(トイロ)

【デスク】toiro(トイロ)

toiro(トイロ)は、個人に合わせた高さの調節が可能な上下昇降デスクです。立位にも座位にも適した高さにできるため、目的や機能に応じてオフィス内の各エリアに配置しやすいのが特長です。また、理想的な姿勢で業務に臨めるので、従業員の健康増進と生産性向上をサポートしてくれます。カラーバリエーションも豊富ですから、自社のオフィスレイアウトに馴染むものを見つけられるでしょう。

【デスク】toiro(トイロ)
価格 161,600円~(税込)
toiro(トイロ)の詳細はこちら

【ワークステーション】ActiveField(アクティブフィールド)

ActiveField(アクティブフィールド)

ActiveField(アクティブフィールド)は、シーンや働き方に合わせて簡単に可動できるワークステーションです。キャスター付きなので女性ひとりでも気軽に移動でき、可動性が高いことから執務スペースやミーティングスペースでも重宝します。また、同シリーズの商品はすべてモデュールやテーブル天板の厚さなどが統一されているため、シーンに合わせて各テーブルを組み合わせやすい点も特長といえるでしょう。

ActiveField(アクティブフィールド)
価格 54,400円(税込)~
ActiveField(アクティブフィールド)の詳細はこちら

【収納】THIN LINE CABINET(シンラインキャビネット)

バーテブラ03

THIN LINE CABINET(シンラインキャビネット)は、多種多様なバリエーションで目的に合わせて組み合わせ可能なキャビネットです。壁面収納、中間収納、スライド収納の3つのタイプがあるので、オフィスレイアウトにフィットした収納レイアウトに対応できます。シンプルながら統一されたデザインで、洗練されたオフィス空間にも馴染むでしょう。

THIN LINE CABINET(シンラインキャビネット)
価格 36,000円(税込)~
THIN LINE CABINET(シンラインキャビネット)の詳細はこちら

アクトチェア

アクトチェア

Act(アクトチェア)は、オフィスシーンで活用できるワークチェアです。座る姿勢や身体の動きにフレキシブルに順応し、快適な座り心地をサポートします。座の奥行調節機構により、座った状態で体格に合ったポジショニング設定も行えるでしょう。また、アジャスタブル肘が備えられているので、肘当てを自在に動かしやすく、自然な姿勢やリラックスした状態で作業を行うことも可能です。カラーバリエーションも豊富ですから、オフィス空間だけでなくホームインテリアにも馴染むでしょう。

アクトチェア
価格 72,000円(税込)~
サイズ ハイバック:W680×D615×H1,000~1,115mm、座面高 440-555mm
エクストラハイバック:W680×D615×H1,150~1,265mm、座面高 440-555mm
材質 背:エラストマー樹脂またはメッシュ、または布地張り
座:布地張り
背ブラケット・肘受け:強化ナイロン樹脂
脚:強化ナイロン樹脂またはアルミダイキャスト
キャスター:ナイロン双輪キャスターまたは抵抗付ウレタン双輪キャスター
機能 ・ワンタッチ操作で前後左右上下と自在に動く4Dリンクアーム
・くるぶしを支点に背座が連動して動くアンクルムーブ・シンクロロッキング
・ロッキングの角度を5か所で固定できるシートアングルストッパー
・ロッキングの反発力調節
・座面にかかる圧力を分散させるペンディングシート
・ガス上下調節
・座の奥行調節
キャスター ナイロン双輪キャスター、抵抗付ウレタン双輪キャスター ロッキング角度固定 5か所
背もたれタイプ ハイバック、エクストラハイバック ロッキングタイプ アンクルムーブ・シンクロロッキング
本体重量 14.5~17.8kg ランバーサポート 〇(ランバーサポート付のみ)
ヘッドレスト 〇(エクストラハイバックのみ) アームレスト T型肘(固定)、アジャスタブル肘(4D可動肘)
必要工具 × 保証期間 最大3年(JOIFA準拠)

アクトチェアの詳細はこちら

【チェア】torteU(トルテユーチェア)

torteU(トルテユーチェア)

torteU(トルテユーチェア)は、スマートな設計かつシンプルな形状のオフィスチェアです。デュアルモーションロッキング機能が備わっているため、腰をサポートするだけでなく目の疲れも軽減して快適なデスクワークを実現します。背・座クッションは取替え・交換が可能なロングライフ設計なので、長期間使用することもできるでしょう。また、カラーバリエーションも豊富で、ホームインテリアやオフィスの内装に合った椅子選びが可能です。

torteU(トルテユーチェア)
価格 39,900円(税込)~
サイズ ローバック 肘なし:W445×D530×H770~885mm、座面高 410~525mm
ローバック ループ肘付:W540×D530×H770~885mm、座面高 410~525mm
ハイバック 肘なし W445×D560×H865~980mm、座面高 410~525mm
ハイバック ループ肘付:W540×D560×H865~980mm、座面高 410~525mm
材質 背・座:布地張り
本体:ポリプロピレン樹脂
ループ肘:強化ナイロン樹脂
脚:強化ナイロン樹脂
機能 ・ディスプレイと目との視距離変化が最小限に抑えられ、ロッキングに必要な幅が小さいデュアルモーションロッキング
・ロングライフ設計で取り換え可能な背座クッション
キャスター ナイロン双輪キャスター
または抵抗付ウレタン双輪キャスター
ロッキング角度固定 初期位置のみ
背もたれタイプ ハイバック、ローバック ロッキングタイプ デュアルモーションロッキング
本体重量 11.2~13.4kg ランバーサポート ×
ヘッドレスト × アームレスト 〇(ループ肘付のみ)
必要工具 × 保証期間 最大3年(JOIFA準拠)

torteU(トルテユーチェア)の詳細はこちら

まとめ

オフィスレイアウトは、コンセプトや自社の業務内容に合わせて設計することで作業効率が上がり、生産性の向上や従業員のモチベーションアップにつながります。また、オフィスレイアウトの設計に欠かせないオフィス家具は、デザイン性だけでなく姿勢や体をサポートしてくれる機能が搭載されているものを選べば、従業員の健康増進も期待できるでしょう。

これからオフィスレイアウトを見直し・設計する方は、今回ご紹介したポイントやパターンを参考に、自社に適したオフィスづくりを行ってみてください。