フリーアドレスとは?目的と失敗しないためのポイントを解説

公開日:2023.8.21 更新日:2023.12.18

フリーアドレスとは、働き方改革やテレワークの普及によって浸透しつつある、固定席を持たないワークスタイルです。柔軟な働き方の実現に向けてフリーアドレスを導入する企業が増えている一方で、運用が難しいためにフリーアドレスが失敗となるケースも少なくありません。

フリーアドレスを上手に運用するためには、特徴や目的、課題を正しく理解したうえで、企業全体で導入を慎重に検討していくことが重要です。

本記事では、フリーアドレスの導入を検討している企業担当者の方に向けて、導入前に知っておきたいフリーアドレスの目的・メリットと失敗しないためのポイントを解説します。ポイントを押さえて、フリーアドレスを上手に運用していきましょう。

フリーアドレスとは

フリーアドレスとは、オフィス内に固定席を設けず、自由に席を選んで仕事ができるワークスタイルのことです。ここでは、フリーアドレスの特徴や種類について解説します。

フリーアドレスの特徴

従来の働き方では、オフィス内に社員の個人専用デスクが設置されており、自席で作業を行っていました。しかし、フリーアドレスは固定席や自席という概念がなく、オフィス内の空いている席に自由に座って業務に取り組めるのが特徴です。

長テーブルやソファが用意されているオフィスもあれば、カウンターが設けられているオフィスもあり、カフェのようなオフィス空間で伸び伸びと働けます。

無線LANやWi-Fi環境の整備、モバイルツールの普及、デジタル化の推進などにより、物理的な障壁がなくなってきたことから、フリーアドレスの働き方が実現しやすくなったといえるでしょう。

フリーアドレスは大きく2種類に分かれる

フリーアドレスは、社内全体で実施する「完全フリーアドレス」と、部署・チームごとに決められたエリア内の好きな席に座って業務に取り組める「グループアドレス」の2種類に分けることができます。

グループアドレスはフリーアドレスよりも小規模で実施できるので気軽に導入しやすいです。また、自由に席を選べるといってもエリアが制限されているので、部署・チーム間で連携しやすいのが特徴として挙げられるでしょう。

チームでの業務が必須の部署は、フリーアドレスよりもグループアドレスを導入したほうが上手く運用できる場合もあります。そのため、自社の働き方に適したフリーアドレスを導入することが大切です。

フリーアドレスは業種や部門によって向き・不向きがある

フリーアドレスは柔軟性のある働き方ゆえに社員が伸び伸びと働きやすいワークスタイルですが、業態や業種、社風によって向き・不向きがあります。

部署を越えてプロジェクトを進めることが多い企業にとってフリーアドレスは相性の良い働き方といえますが、一人で黙々と業務に取り組む社員が多い企業にとってはかえって効率が悪くなるかもしれません。

フリーアドレスの働き方が合わない環境で導入してしまった場合、効果を実感できず、結局従来のワークスタイルに戻すことになる可能性が高いです。

フリーアドレスの導入を検討するのであれば、メリットとデメリットを正しく理解したうえで、自社の社風や業務内容に合っているのかを見極めるようにしましょう。

フリーアドレスの目的・メリット

フリーアドレスを導入する目的を明確にすることは、フリーアドレスを成功させるために重要です。

ここでは、フリーアドレスの代表的なメリットを3つご紹介します。自社にとってメリットとなるワークスタイルかどうか、チェックしてみてください。

社内のコミュニケーションを活性化できる

フリーアドレスは席が自由に選べるため、あまり交流のなかった他部署の社員と近い席で仕事をする機会が増えます。そのため、部署を越えて交流しやすく、社内のコミュニケーションを活性化できるというメリットがあります。

社員同士の人脈が広がったり、新しいアイデアが浮かぶきっかけとなったり、新しい価値観を創造できる機会が増えるので、社員のモチベーションアップや生産性向上などさまざまな効果を期待できるでしょう。

スペースコストの削減につながる

フリーアドレスは社員全員分の座席を用意する従来の働き方とは異なり、全員分の座席を設けなくても良いため、スペースコストを削減できるというメリットがあります。

営業職のような外回りが多い部署や他企業へ出向している社員などがいる場合、在籍率を把握して必要数だけ座席を用意すれば、無駄なくオフィスのスペースを稼働できるでしょう。

また、人事異動や人員の増減に伴うオフィスレイアウト変更の際にも、席替えや配置換えの負担を軽減できます。スペースコストだけでなく、人的コストの削減にもつながるのです。

社員の自律的な働き方を促進できる

フリーアドレスでは、社員が自分自身で座る席を選択し、その席でどのような業務を行うのかを考える必要があります。誰にも邪魔されずに集中できる環境を選んだり、他部署の社員と交流したりするなど、社員の自律的な働き方を促進できるのは大きなメリットといえるでしょう。

また、仕事に必要な道具の整理や管理を自分で行うため、管理能力の向上も期待できます。

フリーアドレスは意味がないと思っている社員も多い?

フリーアドレスは柔軟な働き方ができることから導入する企業も増えており、コミュニケーションの活性化やスペースコストの削減といったメリットもあります。しかし、一方で部署や人によって不向きがあることから、「意味がない」「苦痛」「働きにくい」と感じている社員も少なくないようです。

フリーアドレスの効果を実感できないどころか、かえって苦痛やストレスを感じてしまう社員が多いと、フリーアドレスが失敗・廃止となる可能性が高まるでしょう。フリーアドレスの導入が失敗に終わらないためにも、社員が苦痛やストレスを感じる理由や対策方法を知っておくことが重要です。

フリーアドレスが失敗する理由

実際にフリーアドレスを上手く運用できず、失敗・廃止となった企業は少なくありません。ここでは、フリーアドレスが失敗する主な理由をご紹介します。

誰がどこにいるのかを把握しづらい

フリーアドレスは自由に席を決められる一方で、固定席が設けられていないために誰がどこにいるのかを把握しづらいというデメリットがあります。来客や電話の取次ぎ、緊急性の高い報告や連絡を上司または部下に行う必要がある場合、社員を探すのに手間がかかると業務に支障が出てしまいます。

また、自律的な働き方がかえってストレスとなる社員もいないとは限りません。たとえば、入社したての社員にとっては他の社員の顔と名前を覚えにくいフリーアドレスのワークスタイルは、職場に馴染みにくくストレスになりやすいでしょう。

チームや部署内の管理・連携が上手くいかない

フリーアドレスによって他部署の社員との交流が活性化する一方で、チームや部署への帰属意識が薄れてしまう可能性があります。チーム・部署でまとまって仕事がしにくいため、コミュニケーションも不足しやすくなるでしょう。

報連相や連携をスムーズに行えなくなるだけでなく、部下の管理が難しくなるというデメリットもあります。チームプレーが重要な部署や業態・業種にとっては、フリーアドレスがかえってストレスとなる場合も多いです。

座るメンバーが固定化される

毎日席を選ぶことに苦痛を感じてしまい、いつも同じ席に座る社員も出てくるでしょう。チームや部署のメンバーで集まって座ったり、座るメンバーが固定化されたりしては、フリーアドレスにした意味がありません。

また、お気に入りの席が空いていなかったり、遅い時間に出社したら席がすべて埋まっていたり、思い通りの環境で仕事に取り組めずにストレスを感じる社員もいます。

集中力が落ちて業務効率が下がる

フリーアドレスは業務に取り組める環境を自ら構築しやすい一方で、周囲の環境によっては会話や電話の声が聞こえてきて業務に集中できないケースも考えられます。業務に集中したい社員にとっては、周囲の雑音が気になり、多大なストレスとなるでしょう。

また、接点の少ない社員が隣に座ることに緊張や不安を感じる社員の場合、それだけで集中力が低下してしまう可能性があります。集中力の低下による業務効率の悪化は、企業にとってデメリットでしかありません。

書類や備品の管理が難しい

固定席であれば自席に自分の荷物や書類、仕事道具、備品などを置いておけますが、フリーアドレスではデスクを他の社員と共有するため、個人の荷物を置きっぱなしにすることができません。会議や外出、退社時など長時間にわたって離席する際には、デスク上のものを片付ける必要があります。

都度自分の荷物を持って移動する手間がかかるだけでなく、書類や仕事道具の紛失・破損などのトラブルにつながる可能性もあるでしょう。荷物管理が難しいために、社員への負担がかかる点は大きなデメリットといえます。

フリーアドレスを成功させるポイント

フリーアドレスを成功させるためには、念入りな調査とオフィス環境の整備が必要です。ここからは、フリーアドレスを失敗させないために押さえておきたいポイントをご紹介します。

フリーアドレスの目的を社員に周知する

まずはフリーアドレスを導入する目的について、実際に働く社員に周知することが大切です。フリーアドレスを導入する目的を社員に周知していないと、新しい働き方に対して不安を抱える社員も出てきて、混乱を招いてしまうでしょう。

また、フリーアドレスのメリットを活かしきれず、コミュニケーションの活性化やコスト削減につなげることもできません。目的を明確にすることで、社員は安心・納得してフリーアドレスの働き方に取り組みやすくなります。

導入の可否について事前調査を行う

導入目的の周知と併せて、導入の可否に関するアンケートやサーベイなども実施しましょう。トップダウンで導入を決定してしまうと、フリーアドレスに対して否定的な社員が不安や不満を募らせ、運用が上手くいかなくなる可能性があります。

また、自社の座席率の調査や試験的な運用などを行うと安心です。フリーアドレスを導入してメリットが見込めるのか、どのような課題があるのかを導入前に把握しておけば、トラブルを防ぎやすくなります。

ルールを策定する

フリーアドレスを運用するうえで、ルールの策定は欠かせません。自由に席を決められるといっても、明確なルールがなければ多くの課題やトラブルを生み出してしまう可能性があります。

「前日と同じ席を利用しない」「退席時は私物をロッカーに片付け、デスクには何も残さない」といった運用ルールをマニュアル化して社員に共有し、策定したルールを社内に浸透させましょう。マニュアルは全員がいつでも見られる場所に格納しておきます。

導入後は定期的にルールを見直し、必要に応じてルールを追加・変更すると快適なオフィス環境を維持しやすくなります。

チームや部署によってはグループアドレスを導入する

フリーアドレスを運用するうえで、ルールの策定は欠かせません。自由に席を決められるといっても、明確なルールがなければ多くの課題やトラブルを生み出してしまう可能性があります。

「前日と同じ席を利用しない」「退席時は私物をロッカーに片付け、デスクには何も残さない」といった運用ルールをマニュアル化して社員に共有し、策定したルールを社内に浸透させましょう。マニュアルは全員がいつでも見られる場所に格納しておきます。

導入後は定期的にルールを見直し、必要に応じてルールを追加・変更すると快適なオフィス環境を維持しやすくなります。

ペーパーレス化を進める

業務で使用する書類は、多ければ多いほど持ち運びや管理の負担がかかってしまいます。書類は極力データ化し、ペーパーレス化を進めることで、負担を軽減できるだけでなく業務効率の向上にもつながるでしょう。

また、ペーパーレス化によって書類の紛失防止、印刷や廃棄にかかるコストの削減、保管の手間の削減、保管スペースの有効活用など、さまざまなメリットを得られるのもポイントです。

私物や備品を管理できるツールを用意する

フリーアドレスでは、私物や備品を都度持ち運ぶ必要があります。その負担を軽減するために、フリーアドレスの働き方をサポートしてくれるツールを用意すると良いでしょう。

私物やパソコン、書類などの仕事道具を収納する「パーソナルロッカー(個人用収納庫)」、仕事に必要な道具を入れて持ち運びできる「モバイルバッグ」などがおすすめです。

フリーアドレスにおすすめのツール

フリーアドレスは、デスクやチェアといったツールが他の社員と共有になります。そのため、すべての社員が使いやすく、フリーアドレスに適したものを選ぶと良いでしょう。

ここでは、フリーアドレスにおすすめのツールをご紹介します。

【デスク】Salida LF Desk(サリダLFデスク)

Salida LF Desk(サリダLFデスク)

Salida LF Desk(サリダLFデスク)は、どの位置からでも接続可能なケーブルダクトと外部配線をまとめて通せる中間脚などの配線機能が搭載された、フリーアドレスに最適なデスクです。机上を広く使えるデザインのため、ストレスなく仕事に取り組めるでしょう。また、使い勝手を向上させるオプションが多数用意されており、用途に合わせてデスクをカスタマイズできる点も魅力です。

Salida LF Desk(サリダLFデスク)
価格 22,900円~(税込)
Salida LF Desk(サリダLFデスク)の詳細はこちら

【ワークステーション】INSTATE(インステート)

INSTATE(インステート)

INSTATE(インステート)は、シャープかつシンプルなデザインで豊かなパーソナルワーク環境を実現できるワークステーションです。テーブルに搭載されている配線取出し口は、パソコンやモバイルツールの使用に配慮したデザインで、スマートフォンやステーショナリーの収納にも活用できます。机上を効率的に使えて私物や備品を整理しやすいので、退席時の片付けの手間も削減できるでしょう。

INSTATE(インステート)
価格 64,400円(税込)~
INSTATE(インステート)の詳細はこちら

【収納】es(エスキャビネット)

バーテブラ03

es(エスキャビネット)は、使いやすさを追求した機能にくわえてセキュリティ面と耐震性にも配慮したキャビネットです。フラットかつシンプルなデザインは、省スペースに役立ち、オフィス空間にも馴染みます。また、パスコード、ICカード、ダブルセキュリティの3つから選べるセキュリティモードによって、安全性の高い管理を実現できるでしょう。セキュリティ面の懸念があるフリーアドレスに最適な収納ツールといえます。

es(エスキャビネット)
価格 27,800円(税込)~
es(エスキャビネット)の詳細はこちら

バーテブラ03

バーテブラ03

vertebra03(バーテブラ03)はカスタマイズ性が高く、オフィスユースからリビングユースまでシーンやライフスタイルに合わせて選べるワークチェアです。正しい着座姿勢をサポートしてくれる座のスライド機能により、前傾、直立、後傾、ストレッチなどあらゆる姿勢で作業を行えるでしょう。また、座面の回転機構が備わっており、座ったまま身体の向きを自在に変えられるため、快適な立ち座りができます。コンパクトな設計で、空間のコーディネートがしやすい点も魅力です。

バーテブラ03
価格 66,100円(税込)~
サイズ 4本脚回転:W560 × D515 × H810mm、座面高 455mm
5本脚:W560 × D515 × H775-890mm、座面高 425-540mm
材質 背・座:布地張り
肘:エラストマー樹脂またはオーク無垢材
脚:アルミダイキャスト塗装仕上
キャスター:ナイロン双輪キャスターまたは抵抗付ウレタン双輪キャスターまたはスチールパイプ粉体塗装仕上またはスチールパイプ粉体塗装仕上オーク無垢材カバー付
機能 ・肘と背取付部の2点を軸としたデュアル背ロッキング座スライド機構
・背のロッキング
・座る人を正しい着座位置へ誘導する3次元形状の座面
・座面の前縁部がたわみ大腿部の圧迫を軽減
キャスター 無しまたは、ナイロン双輪キャスター
または抵抗付ウレタン双輪キャスター
ロッキング角度固定 ×
背もたれタイプ ローバック ロッキングタイプ デュアル背ロッキング座スライド
本体重量 9.5~11.6kg ランバーサポート ×
ヘッドレスト × アームレスト 固定
必要工具 × 保証期間 最大3年(JOIFA準拠)

バーテブラ03の詳細はこちら

フリーアドレス診断ガイドブックのご案内

ここまでフリーアドレスの働き方について解説してきましたが、「自社に向いている働き方なのか分からない」という方に向けて、フリーアドレスに適した部署や自社に合った方法を手軽にチェックできる資料をご紹介します。

以下の資料は、ITOKIのホームページから無料でダウンロードできますので、最適なフリーアドレス環境実現のためにぜひご活用ください。

フリーアドレス診断ガイドブックの詳細はこちら

まとめ

フリーアドレスは、部署を越えたコミュニケーションの活性化をはじめとしたさまざまなメリットがあります。しかし、むやみに導入してしまうと効果を実感できないどころかかえって作業効率が悪くなってしまう可能性もあり、失敗・廃止という状況を招きかねません。

フリーアドレスを導入する際は、自社に適した働き方かどうかをしっかり見極めて、社員の意見を取り入れながら検討することで失敗のリスクを防ぎやすくなります。

今回ご紹介したポイントやツールを参考に、ぜひ自社のフリーアドレス導入の検討材料にお役立てください。